引っ越し作業が終わり、荷物の移動が完了。ほっと一息つきたいところですが、諸々の手続きも終えないといけないですよね。
管理人ハリコ含め、きっと迷われた人が多いであろう手続きの一つが、住民票の届け出の方法です。注意することや、オススメするポイントをお伝えします。
住民票「転出届け」と「転入届け」
引っ越しの際に必要なのが、旧住所からの転出届と、新住所への転入届ですね。
- 転出届けは、引っ越し前14日前から手続きができ、「転出証明書」を受け取る
- 転入届けは、引っ越し後14日以内に、「転出証明書」と合わせて「転入届」を提出する
- これを怠ると5万円以下の罰金が課される
ちなみに、マイナンバーカードを持っている方は、この転出届けの際に「転出証明書」は交付されず、転入届け時も不要です。手続き自体は必要ですが、転出証明書(紙)は不要、ということです。
この場合、マイナンバーカードの暗証番号が必要なので、忘れた方は事前に役場で確認しておくとスムーズです。
制度が変わる!?デジタル手続き法案
2019年3月15日に政府が「デジタル手続き法案」を国会提出しました。行政手続きを原則オンライン化するもので、自宅のパソコンやスマートフォンを使って、さまざまな行政手続きができるようにすることが目的です。
引っ越し先で転入手続きと連動して、電気やガス、水道の移転手続きも済ませられるようにすることなどが想定されているようです。これが成立されたらかなり便利になりそうですね!
ちなみにこれ、紙の「通知カード」を廃止し、マイナンバーカードを普及させようとの目論見があるそう。マイナンバーカードの普及率は1割ですって。低いですね。
せっかくあれだけお金や人をかけてマイナンバーを一斉制度導入したのに、それほど恩恵受けていないのが実感です。
「マイナンバーカードのコピーを添付してください」といった類の申請が本当に不毛だなぁと思ってます。ふるさと納税なんかはそうでした。
住民票の世帯主
初めて同棲をする際に迷うのが「世帯主」の考えですよね。
2人入居の場合は、賃貸物件の契約の方法は「代表者のみ契約」と「連名契約」の2種類あるとお伝えしましたが、同棲の場合、住民票はどのように登録するのでしょうか。
世帯主とは?
世帯主とは、年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者をいう。 -厚生労働省
つまり、世帯主とは「世帯の代表者」ということですね。一般的には世帯の生計を主に維持している人などが選ばれています。代表者なので、法律上では続柄、年収、年齢などの制限はなく、勝手に決められるということです。
また、物件契約の際の契約者ではない方の「同居人」の方も、もちろん世帯主となることができます。
じゃあ「世帯」って何?ということで、こちらも厚労省から引用します。
住居及び生計を共にする者の集まり又は独立して住居を維持し、若しくは
独立して生計を営む単身者をいう。 -厚生労働省
つまり、以下に言い換えられます。
- 一緒に住んでいて、かつ生計が同じなら「世帯」。
- 一緒に住んでいても、生計が別なら「別の世帯」。
- 別々に住んでいる人は、いかなる関係でも「別の世帯」
それらをふまえて、同棲の場合の世帯主のあり方は、この2パターンが考えられますね。
- それぞれが世帯主となる(二世帯が同居)。
- 一人は世帯主に、もう一人は同居人となる(一世帯)。
ルームシェアの場合は、基本的に世帯は別であるはずなので、「①それぞれが世帯主となる」パターンしかありませんね。同棲の場合は2パターン選べますが、どちらが都合がよいか考えてみましょう。
①「それぞれが世帯主となる」メリット
世帯主と登録することで、住民票上では自分の名前しか記載されません。会社への届け出や、確定申告、ほか住民票の提出が必要な場面で、同居人がいると気づかれることなく、届け出ることができます。
会社の手当てなどでも、世帯主を対象としたものがありますね。
年末調整もそれぞれが世帯主であれば、税関連も何も影響しあうことがないです。
①「それぞれが世帯主となる」デメリット
見当りません!
②「一人は世帯主に、もう一人は同居人となる」メリット
これも、”同性カップルにとっては”、思い当たりません。
事実婚を表す「妻(未届)」「夫(未届)」の場合は、同棲相手が勤める会社の健康保険に被扶養者として加入できることがあるようですが、これは異性の場合。同性パートナーの同棲だと、現時点ではそれを享受することはできませんね。。
②「一人は世帯主に、もう一人は同居人となる」デメリット
住民票が必要な場面で、同棲が知られてしまう可能性があります。
また、万が一別れることになってしまった場合、同居人の名前に訂正線が引かれた状態で残ってしまうケースがあります。同じ市内・区内へ引っ越す場合です。市外・区外であれば名前は消えます。
ということで、もし特段の理由がなければ「それぞれが世帯主となる」ことをオススメします。
働いているのであれば、2人とも世帯主にすると便利
まとめ
引っ越しはやることが多く、ましてや初めての同棲となれば手続き上よくわからないこともたびたびありますよね。住民票については、とにかくそれぞれ世帯主に!とお伝えしたいです。
デジタル手続き法案化もぜひ成立し、便利になっていってほしいですね。平日の対応も、会社員にとっては地味にツライところではありますので、その辺も柔軟になっていただけると助かるところです。
また、行政や法律に絡む手続きが発生すると、つくづく肩身の狭い思いを実感します。同性カップルの立場についても、事実婚に並ぶ程度には向上してほしいと願っています。