住宅ローンには、大きく二つのタイプがあります。「固定金利型」と「変動金利型」です。
「何それ、聞いたことない」「難しそう」と思った方、大丈夫です。私も全く聞いたことがない超初心者でした。(むしろ、家の購入やローンを検討するのなんて大半が初心者ですね)
色々調べるうちに、それぞれ特長を把握したうえで、自分の考えに合ったものを選べば後悔せずにプランが決められると身をもって感じたので、最小限の情報をお伝えしたいと思います。
また、知らないと損する金利の特徴もお伝えしますので、支払いのイメージを持っていただければと思います!
目次
金利タイプ別比較「固定金利型」「変動金利型」
住宅ローンの金利タイプは「固定金利型」と「変動金利型」がメインで、その二つを組み合わせた中間型もあります。これらのいずれかを契約者ご自身が選んでいくことになります。
それぞれの特徴をまとめてみます。(金利については参考までに、ソニー銀行の最新版を書いておきます。)
固定金利型 | 固定金利選択型 | 変動金利型 | |
特徴 | 借入時に定めた金利が、返済完了まで変わらない | 一定期間の金利が固定となり、期間後の金利は変動となる | 金融情勢によって金利が変動する |
金利 | 高め (0.807% ※) |
中間 (0.640% ※) |
低い (0.507% ※) |
メリット | 市場金利が上昇しても、影響を受けない
借入時に返済額が計画できる |
固定期間中は返済額が確定できる
固定期間後に市場金利が下落すると、金利も下がる |
市場金利が下落すると、金利も下がる
金利が低い |
デメリット | 市場金利が下落しても、割高になる
金利が高い |
固定期間後に市場金利が上昇すると、金利も上がる | 市場金利が上昇すると、金利も上がる
返済完了まで返済額が確定できない |
※いずれも、ソニー銀行(2019年5月現在、自己資金10%未満)
以上をふまえて、それぞれの金利他タイプに向いている人はこのような人だと思います。
固定金利型 | 多少返済額は上がっても、安定して返済計画を立てたい人 |
固定金利選択型 | 一定期間は安定、その後は金利の動向を見ながら返済金額立てたい人 |
変動金利型 | 返済額は最小限に抑え、金利の動向を見ながら返済計画を立てたい人 |
金利プランの変更
ローンの返済途中でこの金利プランを変更することも可能ですが、手数料がかかってしまったり、金利の引き下げ幅が小さくなってしまいます。
金利の引き下げ幅が小さくなるとは、単純に「金利が上がる」ということです。つまり、返済額が増えて損をしてしまいます。
したがって、手数料と金利の引下げ幅だけの視点では、可能であれば金利プランは途中で変えない方がいいですね。
一方で、変動金利型を選んだ場合、金融情勢次第(市場金利が上昇し続けた場合)では、そのままの変動プランだとただ金利が上がっていく一方となってしまうので、金利プランを見直した方が得をするかもしれない、ということです。
・安心取りたいなら固定金利型、多少リスク取っても低い金利が良ければ変動金利型
・できれば途中でプラン変更しない方がお得かも(金融情勢次第)
変動金利型、固定金利型どっち?割合は?
住宅金融支援機構の2018年度調査によると、変動金利型を選んだ人は全体のうち63.9%、固定金利型は5.6%、固定金利選択型が30.5%のようです。(※2017年、新規貸出の場合)
最近家を買った不動産屋の担当者も変動金利型にしたらしいです。理由は、やっぱり金利が低いから、です。
固定金利型か変動金利型かで、返済総額はけっこう変わります。Webでのローンシュミレーションか、金融機関で問い合わせてみると具体的な返済額が出てきますので、どちらのタイプも確認必ず確認してみることをオススメします。
■ローンシュミレーション
ただ、これも正解はない世界ですよね。
それぞれの将来のライフプランと照らし合わせて決めていくことになるので、安全を取りたいか、金利の低さを取りたいか、ご自身の性格とも照らし合わせた納得のいく判断こそが、ご自身の正解になるかと思います。
金利差、返済期間
それでは次に、返済総額に差が出る「金利差」と「返済期間」の具体例をお伝えします。
金利の差による返済額差額
1%だろうが2%だろうが、そんなに変わらなくない?と思いの方。
私も最初あまりピンと来ないものでしたが、住宅価格は高額なので、0.1%の違いが総額にするとけっこうな額になるんです。例をあげてみますね。
※借入期間35年・全期間固定金利・借入金額3,000万円の場合
金利 | 毎月返済額 | 総返済額 差額 |
1.0% | 84,686円 | 35,567,998円 |
1.2% | 87,511円 | 36,754,488円 |
(HOMES 住宅ローンシュミレーション より算出)
金利わずか0.2%の差で、利息総額の差はなんと118万円です!
金利はたとえ小さい差であろうと、低ければ低いほどお得、ということも頭に入れておきたいですね。
返済期間
一般的には、「返済期間=定年の年齢ー現在の年齢」になると思います。65歳が定年で、現在35歳であれば返済期間は30年です。
ただし、返済期間を短くするほど利息を少なくすることができますので、可能な範囲で短く設定するのもおすすめです。
どのくらい差がでるのか、また例をあげてみます。
※金利1.2%・全期間固定金利・借入金額3,000万円の場合
返済期間 | 毎月返済額 | 総返済額 | 35年返済との差 |
35年 | 87,511円 | 36,754,488円 | 0円 |
33年 | 91,782円 | 36,345,822 円 | 約41万円 |
31年 | 96,613 円 | 35,939,991 円 | 約81万円 |
29年 | 102,118 円 | 35,536,998 円 | 約121万円 |
はい、35年返済の場合と比べて、けっこう差額が出ましたね。利息を減らすために、可能な限り短く返済期間を設定するか、途中で繰上げ返済をした方がお得といえますね。
・金利は0.1%の差でも、返済総額の差は膨らむ
・返済期間は短く(できれば繰上げ返済も)
団信(団体信用生命保険)
たくさんある住宅ローン商品から、何を決めてに選ぶかというと「金利タイプ(固定 or 変動)」「実際の金利」が主な項目かと思いますが、それに加えて意外に大事なのが、団信、いわゆる団体信用生命保険です。
団信(団体信用生命保険)とは
団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が返済中に亡くなってしまったり、高度障害状態になってしまったりしたときに、ローンの残額が返済される住宅ローン専用の保険のことです。
住宅ローンを組む場合は、必ず団信に加入することが条件となるのが一般的で、住宅ローンの商品ごとに内容が異なります。
団信には、三大疾病保障付保険、八大疾病保障付保険など、さまざまな保障タイプがあり、内容に応じて金利に上乗せされます。
他にもがん100%保証特約(がんになった時点で、住宅ローン100%保証される)がついたりと、オプションもいくつかあったりします。
多少ほかと比べて金利が高いローン商品だとしても、団信の保障内容が自分に合っているようであれば、大いに検討する余地ありかと思います。
加えて、団信の保障プランについては、すでに加入している、もしくは今後加入しようと検討している保険と、重複する内容がないかどうか同時に考えておくと、無駄がないですね。
まとめ
住宅ローンの検討として、大事なポイントはこの通りです。
・固定金利型(安心したい人)、変動金利型(低い金利がいい人)いずれか決める
・金利は低いほど、期間は短いほどオトク
・団信の内容も必ずチェック
それでは、次はいよいよペアローンについてです。
これまでの家購入編はこちらです。